駒澤大学 在学生の父母による 駒澤大学 教育後援会

駒澤大学教育後援会が毎月連載でお届けしているコラムの最新版です。駒澤大学総合教育研究部日本文化部門で日本語学を専門とする、萩原義雄教授が執筆。

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教授コラム『愛語』

第六十二回
『吾が活路を見出すとき』

平成24年5月1日

日本語を用いて学生たちと講義し質問回答の対話する時間が急速に高まってくる時季を迎えた。「平凡」な内なる暮らし向きの生活から社会組織的な情報伝達の場がメールの数でも増加する時でもある。であるから、最初の会話は、「はじめまして……」「○○でございます」「よろしくお願い申し上げます」などのあいさつ言葉が日々繰り返されていく。

これまで知らなかった大学教育の世界を一緒に歩み出すのである。教師は学生にしてみれば、喩えて云えば港から船出する船の按針の役割を担うことになる。自身の船に乗り合わせた彼らを此岸から彼岸へと導くことが目的だからだ。また、五里霧中の道道を指南車が精確に位置情報を報送することで、進むべきルートを確保することにもなる。彼らの父は、彼らに地図(=電子媒体機器)を与え、母は空を飛翔するつばさ(=衣裳)を与えようとする。この親心を素直に戴くも良し、この両方を受けずに自らの力で困難を乗り越えて見るのも良かろう。自身が選択した道を此の時から始めて行くのは慥かなことである。

そして、一雨ひとあめ毎に樹木が若葉色に変容して街街の様相も変わっていく。親元を離れ、親類縁者とてなく、孤独感がヒタヒタと押し寄せてくる日もなきにしもあらず、「報告」「連絡」「相談」の「ホウレンソウ」ができる仲間が頼みの綱だ。こうした時に巡り会う先輩や友人が後々も長い人生の付き合い人となるケースも多かろう。

また、『徒然草』第十三段には、「ひとり、ともしびのもとにふみをひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる」と云う。一人のようで一人でない「見ぬ世の人を友とする」のもよかろう。こうした自由な時間が今だからこそあるのだと思って実行する勇気があってもよかろう。

萩原 義雄 教授(HAGIHARA YOSHIO)
駒澤大学 総合教育研究部 日本文化部門 [専門分野]日本語学

研究テーマ
   書記文字は、数千年の歳月を限りなく伝え続けてきた人類の文化遺産である。 字書が成り、辞典が編まれ、これらを駆使して日常の生活基盤を養ってきた。 この文字基盤とことばの類型を理解しながら、21世紀の情報最先端技術を導入しつつ、「故きを温ね新しきを知る」、日本語の書記文字世界を凌駕する。
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